辰吉丈一郎氏のボクシングテクニック

辰吉丈一郎さんと言えば、90年代を代表するプロボクサーですよね。ガードを下げたあのスタイルは、まるで漫画のあしたのジョー矢吹丈を彷彿させるようで、とてもスリリングでしたね。

    その発言も当時の若者を虜にして、いわゆる社会現象にまでなってしまうほどの影響力があるボクサーですね。

    そういうイメージが先行しているのですが、彼のボクシング技術たるや、かなり高度なテクニックが満載していることは、ボクシング経験者であれば、お判りでしょう。

     その彼の技術的側面に関して、書きたいと思います。

 

■    素早く多彩なフットワーク

 

    先ず、彼を語る上で、フットワークはとても重要なことです。リングを丸く時計回りに回る、いわゆるサークリングをラウンドの早いうちは、彼は必ず行うボクシングをしていました。そして、ヒットアンドアウェイ、つまりステップインして、ジャブを打ち、ステップバックをして距離をとる、この動作の連続で、彼は試合のペースを作っていました。おそらく彼は、アウトボクシングが得意なのでしょう。時々、パフォーマンスとして、モハメドアリのシャフルもやっていました。かなり器用な選手ですね!

 

■   多彩なリードパンチとリードによる左ボディブロー

 

参考動画です、。

スパーリング風景や、トレーニング風景などです。。

 

★  浪速のジョー。。辰吉丈一郎❗️動画 ★

 

https://youtu.be/ce8OGNLH4hs

 

なかなか素晴らしい動画ですね^_^、。

 

 

    彼は、実は左ききなのです。それ故に、左からの攻撃が多彩なのです。フリッカー気味のジャブからの、フックへの繋ぎ、彼の代名詞である左ボディーブローへの繋ぎ、まさに、彼の左は世界を制しています。一番印象的なのは、27歳の時の、シリモンコン戦の5ラウンドにとったダウンの左ボディーですね。あれで、試合の大局が辰吉選手に渡ったと言っても過言ではありません。

彼のリーチは、171センチあり、身長より10センチ長いのです。なので、普通のバンタムのボクサーのパンチより、めり込んでいくのです。それ故に、あのボディを食らってしまうと、マットに沈んでいくボクサーが多いのです。これが最大の辰吉選手の特徴ですね。

 

■  パンチの回転の速さと、身体の柔らかさ

 

辰吉選手は、パンチの回転が速いです。それは、身体が柔らかいことが大きな理由であると思います。右肩甲骨、左肩甲骨の動作の連続がパンチの連打ということですが、骨格が柔らかい方がパンチの回転速度が上がります。彼の動作をみると、しなやかさがあります。もちろん、ステップも柔らかいです。あの連打攻撃には、こういう理由もあります。

ガードをだらりと下げていたのも、なるべく肩の力を抜いた状態からパンチを打つためでした。

 

■   まとめ

 

柔らかいステップ、柔らかい骨格が彼の全盛期のボクシングを支えていました。ただ、残念ながら、8戦目以降は、眼疾により、やや動作に若干のぎこちなさが加わってしまい、無理に正面からの打ち合いに挑んだりしてしまう姿がありました。網膜剥離がなければ、テクニシャン辰吉丈一郎が多く見れたかもしれませんね。

 

 

 

それでもやる (小学館101新書)

それでもやる (小学館101新書)

 

 

 

魂の言葉

魂の言葉

 

 

 

波瀾万丈―辰吉丈一郎自伝

波瀾万丈―辰吉丈一郎自伝